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修了生の旅路

エリートコーチを目指す本プログラム2年間の旅路を
修了生のみなさんに振り返っていただくと共に
​これからの「未来」について思いを綴っていただきました

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白鳥 歩 | ビーチバレーボール | 女性エリートコーチ育成プログラム

​株式会社パソナ

日本体育大学

白鳥 歩
AYUMI SHIRATORI

専門競技:ビーチバレーボール

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乾いた未舗装の道路

Coach Ayu’s self-discovery

  • プログラムを受講しようと思った理由

 本プログラムに応募した時は、オリンピック出場を目指す選手でした。その為、選手の私が応募資料を作成し、面接を受けていたというのが懐かしく思います。このプログラムを受講している間に東京オリンピックが開催され、私は選手を退くことを決めていたので、この2年間でどんな変化や成長ができるのだろうと、とてもワクワクしていたのを覚えています。東京オリンピック後は、指導者としてビーチバレーボールに貢献したいと強く思っていたこと、そしてどうせ指導者をやるなら指導者でもトップを目指したい!という目標を持っていたので、本プログラムに応募することを決めました。

  • プログラム開始前の自分

 当時は、選手の活動が優先でコーチングを行なっていました。なので、コーチの学びを、選手視点で捉えることが多く、「選手ならこうして欲しい」「選手はこう思うかな」など、受け取り側の視点で考えることが多かったと思います。また、コーチとしての自分の理想像が描けないでいました。自分はどんなコーチを目指したいのかわからず、これでいいのだろうか?と思うことが多かったです。最初の研修でも何回かそのようなことを発言していたと思います。振り返ると、コーチになる自分に自信がなかったのかもしれないと、感じました。しかしその思いとは裏腹に、絶対に良いコーチになりたい!という強い思いも持っていました。コーチとしての課題は何なのか、必要なスキルと知識は何なのか、何が足りないかがわからないことが楽しかったです。

◯現在の自分

【2年間取り組んできた課題】

  • ビジョンと戦略の設定

 リーダーとしての役割を整理した際に、ビジョンと戦略の設定が最初にやるべきこととして挙がりました。プログラムの中でもコーチング哲学を考え、他の人の意見なども聞きくことができたので、リーダーとしてチームのビジョンにしたいことが明確に立てることができました。そこから、年間強化計画を作成しチームに展開するなど、プログラムで取り組んだことをすぐに現場で実践して、形に残すことができました。

  • 環境整備

 練習自体を選手たちが自主的に運営できるような環境整備を中心に取り組みました。部活動に関わってくれている方々へのコミュニケーションや、連絡や報告などに漏れがないように、組織図を作成し確認して実施していました。頭の中で理解するだけではなく、可視化してその都度チェックをするということをしながら、選手がスムーズに練習に取り組めるような環境作りを努力することに注力していました。ミーティングの開催方法やタイミングは、いつも難しく毎回チャレンジングではありましたが、トライ&エラーを繰り返しながら、常に省察を繰り返しながら取り組んでいけたことは、とても良かったです。選手に対してだけでなく、指導者としての学びという環境は常に作れていたと感じています。

  • 組織内でのコミュニケーション

 チームメンバー、ステークホルダーとなるスタッフの方々への日頃の情報共有の方法は、コロナ禍という状況に対応していく日々の中で、多くの新しい方法を持つことが出来ました。具体的には、Zoom、Facebook、ONE TAPなどのオンラインツールを駆使して、今まで対面で取れていたコミュニケーションが取れない中でも、回数や頻度を減らさないように意識しました。2年間色々と試してみましたが、やはり対面で行うコーチングの効果というのを改めて感じています。対面の効果の大きさに気づけたということも、コロナ禍に色々と挑戦してきて、得ることができたスキルになりました。

  • 誰もやったことがないようなサポート

 本プログラムでメンタリングというサポートを始めて受けました。このメンタリングで自身の大きな変化を感じることもできたことと、実際の思考にも変化があり、新しく選手にも導入したいと思い、実際に実行しました。この取り組みが、2年間の中では一番大きなきっかけになりました。メンタリングを行うことで選手の変化だけでなく自分自身の変化もあり、これが自身のオリジナリティを創りだすヒントだ!と閃きました。

【自身の変化と成長】

  • メンタリング

 メンタリングを受けたことで、人生のキャリアで不安だったことや、わからないと自信がなかった部分が、クリアになりました。私は選手だったから社会のことがわからないのだと、勝手な前提認識を持っていて、色々と卑下することが多かったのですが、メンタリングを受けたことで、それは勝手な思い込みだったとわかりました。そこを理解してからは、関わる人がさらに幅広くなり、さらに自信を持って接することができるようになっていきました。それによって、学べる範囲も広くなり、視野もまた広がり、選手たちへかける言葉にも変化があったと実感しています。

  • CoPCoPを作って、どう活用していけば良いかわからずなかなか取り組めていませんでした。きっかけを作ってもうまくいかないということを繰り返すといった感じです。しかし、プログラムの後半の事業計画書の作成の時に、自然とできたコミュニティ(清澤さん、原口さん、白鳥)で一緒に考える時間に多くのことを学べていることに全員が気付きました。このコミュニティが出来上がるプロセスはとても貴重な経験になりました。これまでCoPの効果はあるとはわかってはいたけど、経験したことがなかったので半信半疑でしたが、今回の経験で今後活用していける方法が見つかりました。また、コミュニティを作る方法のコツも掴んだように感じているので、今後生かしていきたいです。

【自身の変化と成長】

  • 選手

 選手はメンタリングを実施したのをきっかけにとても変化しました。距離が近くなり、話す内容にも変化がありました。特にキャリア支援を行ったことで、私自身が選手のことをより知ることが出来て、かける言葉にも変化があったと思います。

 また選手たち同士で困ることなど、課題があっても自分達から相談に来て、他のペアの心配をして助けに入っていくなど、チームとして助け合うという姿勢が強化されたように感じています。その選手の行動から、毎回私も驚きながらも勉強させてもらっています。

選手以外の目標(キャリアビジョン)を共有することで、パフォーマンスが安定するのではないかと感じています。選手も競技以外のことを話せる相手が見つかったことで、人生についても考える時間が増えたと思います。これらの変化の結果、日々の会話の質が変化して、それが選手の言動に変化を与えたのではないかと思っています。

  • スタッフ

 協会の方たちが私に対して、お願いしてくれるものが変化してきました。実際に令和4年2月から強化の会議への参加や、他の部分でも協会と関わって行うことがとても増えました。これはこれまで考えられなかったことです。どちらかというと少し距離がある方だったのが、仲間に入れてもらえたということは大きな変化です。この変化はこのプログラムが無ければ無かったものだと思っています。私自身も自分のできないことや、できることを把握して、ありのままで接することができるようになったので、コミュニケーションにおいてもストレスなく行えるようになりました。

◯未来の自分

 これからの自分は、「誰にも真似できない、唯一のコーチ」を目指します!こんなコーチングがあると思ってもらえること、コーチングってこんな感じなの!?と、感じてもらえるようなスタイルを目指して、女性コーチの大前提を変えていきたいと考えています。その為にはまず、自分自身の当たり前をどんどん変化させていけるように、視野を広げて多くのことにチャレンジしていきたいと思っています。そして、失敗しても諦めないということを守っていきます。

  • メンターコーチ

 具体的な行動として取り組んでいこうと考えているのは、日々の練習にメンタリングを取り入れて、強化を進めていくことです。コーチのスキルに傾聴もありますが、メンタリングでは選手の思考を整理して、自身の考えに気づき、新しい視野を手に入れることを計画して行います。これは競技力のことでも、キャリアのことでも、意図的に活用していきたいと考えています。特に「オートクライン」を意識して、選手が自分で説明して自分で考えながら発想を展開していくというところを大切にしていきたいです。

  • 今後のキャリアパスウェイ

 まずはビーチバレーボールナショナルチームにおいて、強化を担当できる人材になりたいです。最終的にはオリンピック出場をサポートできる、またはオリンピック出場の為に必要な環境を作る一人になりたいと考えています。まずは2022年4月から新設される予定の、「ナショナルチームヘッドコーチ」を目指していきます。

  • 今後の“夢”計画

 私のコーチとしての座右の名は【百折不撓】にしました!なので、百折不撓のコーチの歩みとして、勝手にマイルストーンを考えました。まず、2024年パリオリンピックまではジュニア強化と強化体制の把握と同時に、自身が組織に馴染むことを目的としています。その中でも、地道にジュニアの強化をしていきます。そして2027年にアンダーカテゴリーが世界大会で優勝して、2028年のロサンゼルス大会からナショナルヘッドコーチへと昇格します。そこからは2032年のメダル獲得に向けて必死な日々を過ごす予定です。2032年にメダル獲得した後は、日本バレーバレーボール協会のハイパフォーマンスディレクターとなり、これまでの経験と知識を生かし、敏腕ディレクターとしてインドアとビーチの共存を目指します。そして、バレーボール界のDE&Iの促進を推し進め、スポーツを通して豊かな人生を創造できるスポーツに発展させていきたいと思います。

  • 2028年に完成する予定でしたが、組織内の現状や、ビーチ競技が置かれている状況を観察して、もっと長いスパンで考える必要があると思い、2033年に設定し直しました。)

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