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修了生の旅路

コンパス

エリートコーチを目指す本プログラム2年間の旅路を
修了生のみなさんに振り返っていただくと共に
​これからの「未来」について思いを綴っていただきました

前野 香苗 | ボッチャ | 女性エリートコーチ育成プログラム

株式会社スポーツセンシング

一般社団法人 日本ボッチャ協会

古尾谷 香苗
KANAE FURUOYA

専門競技:ボッチャ

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乾いた未舗装の道路

​自分を信じ、仲間を信じ、共に目指す
エリートコーチへの旅路

◯過去(プログラム参加前)

2020年、コロナウイルス感染症の流行により、ボッチャの強化合宿がすべて中止に、選手の地元練習も全て活動が止まりました。東京オリンピックパラリンピックの延期が決まり、見えない未来に不安を抱えていた頃でした。NFヘッドコーチから、この女性エリートコーチ育成プログラムを紹介され今私が挑戦できることはこれだと思い申し込むことを決めました。

ボッチャのNFトレーナーとして活動9年目、経験を重ねるにつれて、トレーナーだけではなくコーチとしての役割を選手から求められる場面も増えてきますが、自身のコーチング知識のなさを感じることも多く、どこか自信をもてないまま活動を続けていました。また、自分が身を置いているNFについての理解も十分ではなく、これからキャリアを重ねていくことへの不安がありました。活動環境は仲間も上司も協力的で、何でも相談できる関係性でしたが、当時の私は周囲に負けたくないという気持ちと、自分の弱みを見せることの苦手さから、恵まれた学べる環境に気づけずにいたように思います。

 

◯現在(プログラム開始〜現在まで)

このプログラムに参加する中で、研修やOJTなど多くのチャレンジができました。これは決して一人でできることではなく、チャレンジを後押しし、失敗も受け入れてくれる、コーチ仲間、スタッフの皆さんがいてくれたから、協力してくれるNFスタッフ、選手たちがいてくれたからだと思います。具体的には、毎回研修で実施されるグループワークでは、コーチング理論や課題に頭を悩ませながらも、仲間と意見を交わしながら考えをまとめていくという作業が何より自身のトレーニングとなっていたように思います。自分が行ってきたトレーナーやコーチとしての選手との関わり方や、強化の考え方、目指すコーチ像というものに意味付けしていくことができ、これまでもやもやしていたことが一つずつクリアになっていく感覚でした。

また、SWOT分析などの客観的指標や、コーチングのワークアウトを通して、自己分析し自身を客観視できるようになることで、邪魔をしていたプライドや固定概念が取り払われ、ありのままの自分を受け入れながら、自分の強みを活かすコーチング、弱みを強みに活かす方法を考え、実行に移していくことができるようになりました。グループディスカッションの中では、これまでだと意見を言わないと、自ら話していないと不安になってしまっていましたが、周囲の意見を引き出すことや、あえて自身の意見を言わずに待つなど、冷静にその場の状況を見極め、自身の役割を考え動くことができるようになってきたように思います。自分を認識し、自信がついてきたからこそ、ファシリテートの視点をもてるようになったのだと感じます。そしてOJT活動については、基本はNF合宿や選手個人練習の中で実施してきましたが、コーチ研修の課題を行うことを周囲の選手やコーチに周知することで、応援体制を得ることができ、NF内でも学びを継続していく体制を作ることができたことが大きな収穫でした。最後に、大きく私の人生に影響を与えたのがメンタリングです。コーチングについてはもちろん、これまでずっと悩んでいたプライベートとの両立、トレーナー・コーチ業の経済的不安について継続的にお話させてもらうことで、2年が経った今、自身の弱みを知ったうえでリスク管理をしながらも、強みを活かしたアクティブプランを立案し実行することができるようになりました。また、定期的な海外研修で、海外コーチのお話を聞く中で、自身のアクティブプランも自信をもってチャレンジしてみようと勇気をもらい、背中を押してもらうような機会となっていました。

 

◯未来(プログラム後)

 上記のように、このプログラムを通して、とても刺激的な2年間を過ごさせてもらいました。研修やOJTの中で多くの課題と向き合い、試行錯誤しながら学びを積み重ねてきました。プログラム終了後は、学びの機会を自分でマネージメントしていかなければいけないというプレッシャーを少し感じています。ただ、共に学んできたコーチ仲間とのつながりはプログラム後も続いていきます。これまでと変わらず、互いに助け合い刺激し合いながら、高め合える関係性でいられることがとても心強いです。

 今私は、チャレンジしてみたいことに満ち溢れています。これまでの私であれば、プライベートを犠牲にして仕事やトレーナー業を優先していましたが、これからは欲張りにどちらもまずはチャレンジしてみようと思っています。失敗しそうになっても、周囲に支えてくれるサポーターがたくさんいるとことを知れたことは、私に心理的安定をもたらしてくれています。

 将来達成したいことは3つ。まず1つ目は、ボッチャナショナルチームでのチーフトレーナーの役割をしっかりと果たし、パリパラリンピックで成果を出すこと。2つ目は、地元地域で行政や企業、教育機関などと連携し、ボッチャを普及すること。そこで選手やサポーターを育成しすること。3つ目は、母となり、子育てと仕事との両立をすること。この3つの目標を達成するには、一人の力では難しく周囲のサポートがないと叶わないことばかりです。自分の人間性を活かしながら、仲間と力を合わせ達成に向けて進んでいきたいと思います。数年後には、子どもを連れて強化合宿や地元練習に参加する、ママさんコーチ・トレーナーとなることが私の夢です。    

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