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インタビュアー:三上 友佳子

Q. 競技の魅力を教えてください

「モーグルは、自分の人生を表現するスポーツ」
モーグルは、滑る技術だけがあってもダメ、エアーだけがすごくてもダメ、スピードだけあってもダメ、総合的によくなければトップにはなれないスポーツです。そして、予選では少し手を抜いて、決勝で自分の最大限を出す…といったことが評価されないスポーツなので、選手たちは多少技の難易度を変えたとしても、常に全力で滑ります。滑る斜面は、どれ一つとして同じコースはありません。日が当たる、当たらない部分によっても雪面の状態は変化し、2度と同じ斜面を滑ることはできません。

それって人生に似ているなと思うのです。選手たちは皆、どんな状況であっても、今の自分のベストを尽くして滑っています。モーグルは、大袈裟かもしれないけれど自分の生き方を表現できる場所でもあるし、見ていても、勝つ選手だけじゃなくて、観ている人の好みで、この選手かっこいいな!と思えるところが、モーグル競技の魅力です。

Q. 競技に出会ったきっかけは?

「小学2年生の時、お姉さんと一緒に参加したモーグルキャンプ」
父親がコブ好きだったこともありますが、競技に初めて触れたのは2つ上の姉と一緒に参加した長野県のスキー場で行われていたちびっこモーグルキャンプに参加したことがきっかけです。

Q. コーチを目指すきっかけや、そのプロセスについて

「ママでもコーチができる!そんな姿を後輩たちに見せていきたい」
選手を引退して、夫の転勤で札幌に来ました。選手時代にお世話になった方に声をかけられてコーチをすることになりました。今は、札幌ジュニアアスリート育成事業のチーフコーチをしています。
モーグルのコーチは、コース作りなどで体力を使うことが多く、これまで女性のコーチは少なかったです。自分が選手時代に、同じ女性のコーチであれば女性ならではの悩み等を話せるのに…と感じたこともありました。また、ワールドカップに帯同していた女性トレーナーが、まだ幼い子どもと一緒に帯同してきていて、純粋に「かっこいいな」と思っていました。コーチにと声がかかった時は妊娠していなかったので、子育てしながらコーチをすることになるとは思っていなかったけれど、まだまだ女性のコーチが少ないモーグル競技において、自分が子育てしながらコーチをしている姿を後輩たちに見せることによって、これからコーチを目指す女性選手が増えていったら良いなと、そんな思いもあり現在取り組んでいます。

Q. コーチングをするうえで、大切にしていることは何ですか?

「勝ち続け、学び続ける」「選手とコーチスタッフのウェルビーイング」
スポーツは、もちろん勝利を目指して行うものです。そして、勝ち続けることはそうそうできることではないけれど、勝つ中に、負ける中に、常に学びがあるものと思っています。私は常にそれを大切にしていきたいと思っています。そして、選手だけではなく、コーチだけでもなく、モーグルを通してお互いのウェルビーイングを目指していくというのが、私がコーチングをする上で大切にしていきたい2つのことです。

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PROFILE INTERVIEW

プロフィールインタビュー

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札幌市スポーツ協会

伊藤 みき
MIKI ITO

専門競技:スキー/フリースタイル

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Interviewer's Comment

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インタビュアー:三上 友佳子

笑顔が本当にチャーミングで、私の心は一気に奪われました。女性アスリートとしての経験を自らがコーチになって生かしていきたいという思いや、モーグル競技の素晴らしさ、またライフステージによってやりたいことを諦めるという選択肢は必要ないのだということが、すーっと私の中に入ってきました。

このような人たちの存在が、これからの日本の女性を取り巻くスポーツ界を変えていけるのだなと強く思いました。共に学べること、同じ札幌に暮らしている仲間だからこそ今回出会うことができたことに感謝し、共にウェルビーイングを実践していきたい!と心が前向きになれる時間を過ごすことができました。

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