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3日目「諸外国の事例から学ぶ女性コーチのキャリア形成」を学ぶ海外研修代替イベントを開催しました

更新日:2021年4月1日



日本体育大学はスポーツ庁の委託を受けて、ナショナルチームクラスで活躍を目指す女性コーチを対象に、ハイパフォーマンス領域で強みとなるコーチングスキルの向上を目指して「女性エリートコーチ育成プログラム」を提供しています。ナショナルチームクラスのコーチは国際的な場で活躍することが求められるため、本プログラム受講者を対象に、諸外国で女性コーチ普及活動の最前線で活躍する人物や女性エリートコーチのロールモデルとなる人物に出会う機会をつくり、国際的なネットワークづくりと国際人としての意識を醸成することを目指して、海外研修を行っています。

今回はコロナウイルスの影響で海外渡航が厳しかったため、海外研修の代替として、国際座談会をオンラインで実施。3日目は以下の講師をお招きして実施しました。


■日時:2月18日(木) 10:00~11:30


■講師:

ナディーン・デュビナ(アメリカ)アメリカオリンピック・パラリンピック委員会、コーチ育成マネージャー

伊奈恭子氏(アメリカ)フィギュアスケートコーチ、元オリンピアン、世界大会銅メダリスト



■3日目アジェンダ

1. デュビナ氏より、自身のキャリアパス紹介

2. 伊奈氏より、自身のキャリアパス紹介

3. デュビナ氏より女性として困難な道を切り開いた女性コーチの事例紹介

4. 質疑応答


デュビナ氏:スポーツを通して自分自身や人が閃く支援をし、世界を明るくしたい

デュビナ氏からは、初めに、スポーツを通して人が自分自身で気づきひらめく支援をしたり、人を支援することによってひらめき体験をするとともに世界を明るくしたいというコーチとしての自身の目的・目標、哲学・考え方についての紹介がなされました。

続いて自身のキャリアについては、以下のように紹介がありました。


【概要】

小さいころから体操の選手をしていたが、10年ほどたった頃、怪我によりコーチに転身。

大学ではコーチとはなにかを学びながら実際にコーチをし、卒業後は心理学を学ぶために修士号をとりながらコーチ業を継続。


USOC(アメリカオリンピック・パラリンピック委員会)のスタッフとしてコーチ・デベロッパー(CD)の仕事をし、世界各地のすべての競技の選手たちと働くことができたこと。そして、日本体育大学で伊藤氏よりコーチデベロッパーとしての学びを得たことが、彼女のキャリアにとって大きな助けになっているというエピソードが紹介されました。


写真はデュビナ氏の体操選手時代から最近のUSOCの仕事仲間たちとの様子

伊奈氏:コーチが持つべき重要な姿勢は、オープンマインドで、常に周囲から学びを得るスタンスを取ること


続いて、デュビナ氏がいっしょに働いている大好きなコーチの一人という伊奈氏に自己紹介いただきました。


伊奈氏は、フィギュアスケーターのアメリカ代表として、オリンピックに3回出場、世界大会銅メダリスト。2002年まで現役で活動したあとプロスケーターとして10年活動しつつ、プロコーチとしても活動し、デュビナ氏と出会いました。



アメリカ代表選手としてUSOPCコーチと関わることができたこと、デュビナ氏のプレゼンテーションを通して、以下の学びを得たこと、そしてこれからも学び続けることの大切さについてお話しいただきました。


【伊奈氏が得た学び】

● 素晴らしいコーチやメンターがいたおかげで、選手として成功することができたこと

● 10代と大人では選手に必要な支援は異なる。コーチとして大事なことは、年齢や文脈に応じてその時必要なコーチングができること

● 選手としての人生は短いが、選手として学んだことは人生に活きること

● 選手として学んだ経験はコーチとして後世に伝えることができるし、レガシーを作ることができること

● レガシーを作るためエゴやプライドが邪魔になった時期があったが、オープンマインドになったことで、他者から学ぶことができるようになったこと



女性初の二人のコーチのエピソードから「勇気」の意味を考える

    左2枚の写真は、女性初のスーパーボールのコーチの写真。

    右上はフルタイムの女性初の正審判の女性。

    右下はメジャーリーグのチームの女性初のゼネラルマネージャー 



デュビナ氏からは、参加者に、ここ数か月の間に起きた喜ばしいエピソードとして、二人の女性の活躍が紹介されました。


スポーツ界における女性の参画が少ないという経緯はアメリカでも日本でも同じという現状がある中で、女性初のスーパーボール出場ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)チームのコーチ就任や

メジャーリーグベースボール(MLB)初の女性ジェネラルマネージャーが活躍している事例です。


これらの女性たちは困難と言われてきた道のりを成し遂げてきたことに触れ、彼女達も弱さや勇気を両方もっていること。受け入れられないのではないかという怖さを感じながらも困難といわれるチャレンジしてきたことを挙げ、本プログラムに参加しているコーチにも是非壁を打ち破って欲しいと激励しました。



また、壁を打ち破るために必要な「勇気をもつこと」の意味について、自分が心に抱いている自分の意思を貫くことだとし、デュビナ氏自身の経験に触れながら考えていきました。


チャレンジをした先には、自分が想像しなかったところにたどり着けることや、アメリカの有名テレビ司会者であるオプラ・ウインフリー氏の言葉も引用しながら、自分らしくあることがとても強みになることを強調。

自分らしさを出していくことが周りのアスリートに価値をもたらすことを伝え、参加者を激励しました。



質疑応答


質疑応答では、以下のような場合コーチとしてどうすべきか、デュビナ氏と伊奈氏へ質問があがりました。


● コーチはメンバーの噂話を信じて行動するケース

● 選手への傾聴とアドバイスのバランス

● 人から学ぶ姿勢の大切さ

● 勇気より弱さが勝っている選手や、その逆の選手に対して、勇気や自信をもたせるための接しかた

● コーチとメンターをいつごろからつけていたのか

● 経験がない競技についてコーチングすることのメリットデメリット



質疑応答のまとめとして、スポーツは環境なので、選手として学んできた楽しさや価値を後世に伝えることの重要さや、スポーツが教訓を教えるのではなく、コーチやメンターが教え手となることが大切であること。

そして参加者には、これからも勇気と弱さの二つの感情と共存しチャレンジし続けてほしいことや

わらないことがあればすぐ助けを求めることが成長するためには必要であるとして、チームとなることの重要性やチームジャパンを作ることの提案がなされ、参加者を勇気づけました。

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