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2020女性エリートコーチ育成プログラムが本格的にスタート



日本体育大学の伊藤雅充です。本学が今年度から2年間の予定でスポーツ庁から受託した女性アスリートの育成・支援プロジェクト女性エリートコーチ育成プログラムの実施責任者を仰せつかっています。事業としてのブログを開始するにあたり、まずは私からご挨拶を兼ねて投稿させていただきます。

本プログラムには、多くの応募者の中から選抜された12名の女性コーチが参加しています。応募してくださった女性コーチの皆さん、全ての方が素晴らしい経歴や熱い思いを持っていらっしゃり、全員合格にしたいという話が選考委員会の中でも出てきました。しかし、予算上の都合から12名に絞らざるを得ず、選考委員会でも断腸の思いで選抜をさせていただいたという経緯がありました。


そして2020年8月31日から9月4日の平日5日間で行われた最初のオンライン研修会を終え、将来日本のスポーツ界に大きな変化をもたらす女性コーチの方々にお集まりいただいたという考えが一層強まりました。男性コーチが多い通常のコーチ育成プログラムとは違った空気感がそこにはあったことも興味深いところです。その辺りについても別の機会に触れさせていただこうと考えています。


今後、このブログを通して、本プログラムに関係する様々な情報提供を行っていく予定です。テーマとして、たとえば、プログラムとして設定しているコンピテンシーについて、参加している女性コーチの経験、招聘講師から得られた海外の女性エリートコーチ事情などが挙げられます。これを読んでくださっている方からの寄稿も面白いですね。

さて、このあとは少し退屈かもしれませんが、なぜ日体大のコーチング学のチームが女性エリートコーチ育成プログラムを展開することになったのか、その経緯について紹介させていただきます。


日本体育大学は2011年4月にコーチの実践力を高める専門的なプログラムを展開する大学院課程を開設しました。正式名称は日本体育大学大学院体育科学専攻体育実践学コースコーチング学系です。設置にあたり、海外の大学院でコーチ育成がどのように展開されているのかを調査して回りました。海外の先駆的な例を参考に、スポーツ科学の研究者を養成するためのプログラムではなく、コーチングのHOWに焦点をあてたプログラムを展開することにしました。


そして2020東京オリパラレガシーを念頭にスタートしたSports for Tomorrowプログラムの一環として、スポーツ庁委託事業スポーツアカデミー形成支援事業の展開校として本学が手を挙げ、2014年度からNSSU Coach Developer Academy(NCDA)を運営することとなりました。7年目となる今年までに、およそ100名の国際的なコーチデベロッパー(コーチの能力向上を支援する専門家)を排出しつつ、コーチ育成に関する様々な新しい方法論を世界各国のコーチ育成をリードする人たちとともに開発することができました。


コーチング学の大学院やNCDAで得られた経験を、戦略的二国間スポーツ国際貢献事業パラ参加国最大化事業(スポ庁委託事業、NEPP)でも活用し、開発途上国のパラコーチの能力向上を支援しています。NEPPの経験は私たちのコーチ育成に対する考え方に大きなインパクトを与えました。とかくヨーロッパや北アメリカのフレームワークを“スタンダード”としてグローバリゼーションを考えがちですが、NEPPで一緒に動いている国々の文脈はヨーロッパや北アメリカ、そして日本とは大きく異なります。それぞれの国や地域が持つ文化を考慮し、その場の文脈に沿った形で行う必要があるという、根本的な課題を意識させてくれました。私たちのコーチング研究・実践グループの基本コンセプトである学習者中心の活動、あるいはアスリート・センタード・コーチングに対するより深い認識を与えてくれることになったのです。


このように、私たちのチームは世界各国とつながり、コーチが学びたくなるコーチ育成の方法を考え続けてきました。そのためか、日本スポーツ協会(JSPO)がスポーツ庁(事業開始時は文科省)からの委託で始めたコーチングのモデル・コア・カリキュラムの策定にも関わらせていただき、その流れで、JSPO公認スポーツ指導者資格制度改革をお手伝いさせていただく機会を得ることができました。多くの議論が交わされた結果、これまでスポーツ医・科学の知識を講義を通して受講者に届ける形(どちらかというと受講者は受け身)で行われていた共通科目の展開方法を、アクティブ・ラーニングによって受講者同士が刺激し合って主体的に学びを得ていくスタイルに変更しました。


そして2018年から、日本スポーツ振興センター(JSC)が展開する女性エリートコーチ育成プログラムに、我々のチームがコーチ育成ワークショップの担当として部分的に関わらせていただくことになりました。ここでもJSCの皆さんと議論しながら、受講者にとってよりよいプログラムとなるように、失敗を恐れず挑戦し続けることができました。それが今年度から我々日体大チームが女性エリートコーチ育成プログラム全体を運営することを後押ししてくれました。


さあ、新しい挑戦をするぞ!とプログラムを組んでいたところ、コロナウィルス感染症感染拡大の問題が突如起こり、我々としても既に計画したプログラムを大幅に変更せざるを得ませんでした。我々にとってキャンセルの選択肢は全くなく、問題は、アクティブ・ラーニング型のコーチ育成をどうオンラインで実施していくかというところでした。新しい環境におかれると、いろいろなアイデアが浮かぶもので、コロナ前の経験とはまた違ったことに挑戦できることにワクワクしている自分たちがいることに気付きました。本来であれば、コロナ前でもこのような発想が必要だったのだろうと内省しています。

今始まった2年間の女性エリートコーチ育成プログラム展開の経験は、きっと私たちのチームの新しい挑戦の発想を引き出してくれるものと信じていますし、そうならない訳がないとも思っています。受講する女性コーチの皆さん、事業にアドバイスを下さる方々、そして運営チームが一丸となってこの挑戦を楽しみ、社会に対して有益な貢献ができるように努めたいと思います。


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