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第3回研修会「Project Own Podium~表彰台を勝ち取れ!」をテーマに開催しました

更新日:2021年4月1日

本学が今年度からスポーツ庁から受託した「女性アスリートの育成・支援プロジェクト『女性エリートコーチ育成プログラム』」の第3回研修会が、2020年12月14日〜12月18日に行われました。

第3回研修会は「Project Own Podium~表彰台を勝ち取れ!」をテーマとし、2回目のメンバーで引き続き、

以下のゴールを目指して実施しました。


【第3回研修会の全体ゴール】

  • CoPを通じて、自身が抱える課題解決に向けたいくつかのオプションを持てている

  • 本プログラムのコミュニティを活用した課題解決方法(ケースクリニック)を理解している

  • アスリートの強化計画に盛り込むべき要素と各要素を考えていくチェックポイントが整理されている

  • 自身の持つ強化計画をより良いものにしていくため自身が学びとっていくべき要素が明らかになっている

  • 自身の競技のパフォーマンス要素を分析する観点を整理できている

  • 効果的な練習メニューを考えていくためのチェックポイントが整理されている

  • 自分たちで作成したチェックリストに基づいて、実際に練習メニューを評価することができる

  • プレゼンテーションスキルに関する強みと弱みを理解し、改善に向けた具体的な行動が決まっている

  • 第3回OJT実践計画が策定され、具体的な取り組み内容が明確になっている


研修は合計5日間、以下のスケジュールで実施。今までは参加者自身がコーチとして成長するための取り組みをしてきたのに対し、今回はコーチとしての仕事の中で大きな割合を占めるアスリートの強化計画について、スポーツ科学やエビデンスベースで考えていく活動を行っていきました。


【スケジュール】 1日目:OJT実践報告(CoP)

2日目:試合でのベストパフォーマンスを導く強化計画の作成方法 3日目:効果的な練習メニュー作り

4日目:プレゼンテーション実践

5日目:第3回OJT実施計画立案


◆研修第1日目「OJT実践報告(CoP)」について

研修のスタートは、前回と同様、参加者加者全員が「今日、自分はどのようなことにチャレンジしたいのか、どのようなスキルを伸ばしたいの?というパーソナルゴールを設定。

参加者からは、自分の課題を明確にしたり、他の参加者の理解を深めがら新しい発想を得るなど、今回も意欲的な目標が掲げられました。


今回は、自身が抱える課題の解決について、本プロジェクトのコミュニティを活用した課題解決方法(ケースクリニック)を理解し、解決方法のオプションを複数持つことがゴールです。

全員が2グループに分かれ

・課題の提供

・課題の理解と解決策の模索

・学びの発表

という一連のグループワークをオンラインで行っていきました。


◆研修第2日目「試合でのベストパフォーマンスを導く強化計画の作成方法 」について

2日目は、以下のゴールを目指しました。

アスリートの強化計画に​盛り込むべき要素​と、​各要素を考えていくチェックポイント​の整理

参加者自身のもつ強化計画をより良いものにしていくため、自身が学びとっていくべき要素を明確にする

●参加者自身の​競技の理解(パフォーマンス要素​を分析する観点)の整理


まず最初に「強化計画チェックリスト」を作成していきます。

本プログラムの現役アスリートである白鳥氏・冨部氏のグループに分かれ、両氏の目標とそれに対する強化プランをプレゼンしていただきました。


その内容を題材に、アスリートの強化策や練習メニューを立案していくためのピリオダイゼーション[1] 等を、Mind Meisterを使って各グループで整理・深堀りして理解していきました。


図はグループ内で行われたMind Meisterの整理の一部



このようにして、「次年度の最終的な達成目標」や「達成目標にむけたマイルストーンをつくるための、スモールステップや強化・獲得すべきパフォーマンス要素の確認」「計画作成時に考慮している要素」などを整理・検討していきました。


次に、アスリートのパフォーマンス特性要因分析をしました。

引き続きMind Meisterを使い、アスリートのパフォーマンスに影響を与える要因について、各競技に共通する内容を中心に、何が影響するかグループで意見を出し合い、各要因をカテゴライズしていきました。


図は各グループでのワークの内容


スポンサーや助成金などをいただくことの影響や趣味なども含め、アスリートを取り囲む要因を分析・整理していきました。


◆研修3日目「 効果的な練習メニュー作り 」について


2日目が長いスパンで計画を立てることを考えていったのに対し、3日目は、今日の1日、この10分、この1分、どのような意味の練習をしていくのかという「効果的な練習メニュー作り」に向けてブレイクダウンして考えていきます。

2つのグループに分かれ、自身のアスリートやコーチの経験、知っているコーチング学に関連した知識をもとに考えたり紹介したりしながら、意見を出し合い、多角的に効果的な練習メニューに必要な要素を挙げていき、挙げられた要素をカテゴリ―に分けて整理していきました。


Mindmeisteを使ってグループでチェックリストを整理している図


その後、各グループ2名1組に分かれて発表ディスカッションを行ったり、他のグループからの案を持ち帰るなどしながら、チェックリストを精緻化していきました。


精緻化の後は、チェックリストに基づく練習メニューの評価と修正(事例検討)です。

冨部・白鳥両氏の「目標達成のため身に付けたい、高めたいパフォーマンス要素」の獲得に向けた練習メニューを、より良いものへと修正していきます。


「目標達成のため身に付けたい、高めたいパフォーマンス要素」の中から、優先順位の高いものを一つ両氏に挙げていただき、それについてグループで以下の活動を行いました。


専門競技以外の人でもどのような練習なのか、イメージできるように説明をする

競技特性や課題として挙げた要素と競技パフォーマンスとの関係性について、理解を深めるような質問 をする

作成したチェックリストに基づき、練習メニューの評価と改善をする

グループでの議論から得た学びや今後の練習実施方法について、話題提供者本人が宣言する


3日目の最後は、研修4日目に行うプレゼンテーションの準備です。

4日目は、各コーチそれぞれが普段指導しているアスリートの強化策を作成し、実際にその内容をプレゼンしていきます。そのため、下準備として、2日目に実施した「パフォーマンス特性要因分析」をもとに、自身の競技のパフォーマンス分析を行いました。



◆研修4日目「 効果的なプレゼン資料の作成とプレゼン実践 」について

4日目は指定された実践的な以下のシチュエーションに沿って強化計画を作成。第1回研修会に行った効果的なプレゼンテーションの要点を振り返りながら、プレゼンテーションを実践していきます。


【想定シチュエーション】

シチュエーション①

● ナショナルチームのヘッドコーチ公募(年代は自由に設定)

● 4年間の強化計画を含む、申請書を既に提出している

● 書類審査を経て、最終面接へと進んだ

● 面接では​強化計画に関するプレゼン​を5分間行うと想定


シチュエーション②

● あなたはナショナルチームのヘッドコーチです(年代は自由に設定)

● 強化を進めるため合宿を計画している。強化本部に予算を認めてもらう必要がある。

● 強化本部ではその合宿が必要ないのではないかという考えがある

● 強化本部会議で5分間のプレゼン時間を確保

● 強化本部の考えを変えるようなプレゼン​をすると想定


プレゼンテーションでは、強化計画の内容だけでなく、プレゼン方法や資料のインパクトについてもフィードバックをもらい、さらにエレベーターピッチのシーンも想定しながら、プレゼンテーションのポイントをリスト化していきました。


◆研修5日目「 第3回OJT実施計画立案 」について

第5回目は、第3回OJT実施計画を立案し、以下のステップで具体的な取り組みを明確にしていきます。


【活動のステップ】

1. 成長計画シートに基づき、次のOJT計画シート作成

2. 1を2人1組のグループを組み、プレゼンテーション

3. グループのメンバーから以下の観点でフィードバックをもらい、よりよく修正する


1のOJT実施計画立案については、第2回目OJT実施、第3回目の研修を経て追加があれば加筆するかたちで、

「長期成長目標」「中期の成長目標」を確認。

また、前回2回目のOJT実践時に、第3回研修会までに到達したいと設定していた点数に対して、実際にOJTを経て何点に変化したのかを、「パフォーマンス・プロファイリング」を行い評価。 パフォーマンス・プロファイリングを経て、優先順位を高くした内容を第4回研修会までに改善に取り組む内容として設定し、具体的な取り組み内容や評価の指標、第4回研修会までの短期行動計画を立てました。


2のプレゼンテーションは、グループに分かれ、以下の点を押さえた発表を実施

■ 次回の研修までに目指したい第3回OJTでの成長目標(パフォーマンス目標)

■ スケジュールと合わせて改善に向けた具体的な取り組み内容

■ 目標達成の有無を評価する指標を提示


3のフィードバック時は、OJT計画立案時に意識したい観点としてSMART」​を使い、

各観点に対してどうだったか、評価をしあいながらブラッシュアップ。残り時間で個別の計画を修正していきました。

Specific.................具体的か

Measurable...........目標達成の有無は客観的に測定可能か

Action oriented.....行動がイメージできるような目標であるか

Realistic.................現実的か

Timed.....................達成までの期間が設定されているか



第3回の5日間の研修の振り返りでは、

・自分の練習や計画を立てるときにマインドマップの作成がとても役に立った

・苦手なことにチャレンジする土台作りができた

・参加メンバーからもらった刺激を忘れずにOJTに励みたい

・5日間を通して苦手が明確になり、人に相談したいポイントが見えてきた

・対象選手の強化計画立案にむけて、今やるべきことなどが明確になった

・考える脳にするよい機会になった

など、学びの場があることの良さを実感したり、研修以外の時間でも学んだ知見やスキルを活かしていきたいという声が多く聞かれました。


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