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第2回サテライト・レクチャー「ナショナルチームの組織マネジメント」を開催しました!

最終更新: 4日前

コーチが効果的なコーチングを実践していくためには、コーチが他者と円滑にコミュニケーションを取るための「対他者の知識」、コーチとしての自分を磨き成長し続けるための「対自己の知識」、そしてスポーツ特有の技術やスポーツ医・科学などを含む「専門的知識」の3つの知識が必要だと言われています。女性エリートコーチ育成プログラムの「サテライト・レクチャー」では、コーチングに必要な専門的知識の獲得を目指していきます。


第2回目は、チームを率いるリーダーには欠かせない”マネジメントスキル”について学びます。本プログラム修了生でもあり、先日、日本ラグビーフットボール協会の副会長に就任されたばかりの浅見敬子さんにご登壇いただきました。


【第2回概要】

■ 日 時:6月22日(月)13:00〜14:30

■ 講 師:浅見 敬子(あさみ けいこ) 日本ラグビーフットボール協会 副会長

■ テーマ: 「ナショナルチームの組織マネジメント」


浅見さんは日本体育大学在学中に、当時はまだマイナー競技だった女子ラグビーに出会い、日本代表選手としても活躍されました。競技引退後は、コーチとして活動を始めます。これまで日本代表チームのコーチ・ヘッドコーチ、そしてチームディレクターを務められてきました。さらに活躍の場は日本だけでなく世界へ広がり、アジアラグビー協会やワールドラグビーの理事も歴任されるなど、スポーツ界の女性リーダーとして道を切り拓いてこられた私たちのロールモデルといえます。そんな浅見さんがこれまで様々なポジションをご経験された中で、チームそして組織のマネジメントにおいて大切なことを、ご自身の失敗談も含めお話くださいました。



組織を知る

マネジメントを任された時、特にディレクター職で浅見さんがまず初めにすることは組織そのもの、そしてその配置と編成プロセスを知り整理すること。誰がどのようなタスクを任され、どのような契約で働いているか等隅々まで把握し、整理するそうです。組織を動かすのは「人」。その「人」をどのように選んでいくのか、特にナショナルチームを編成するプロセスを知ることはとても重要だと話します。これらを踏まえ、改めて編成された組織内部における役割を決め、関わる組織、そして個人の役割を明確にします。


人選は、「適材適所」

次に、上記のプロセスによって選ばれたナショナルチームのヘッドコーチは、チームを構成するスタッフを選ばなければいけません。ここで、浅見さんが大切にしていることは、「適材適所」。チームの成長を考えた時に、選手と一緒に学び成長していく志のある人や、専門性と可能性を持つ人材を選ぶということだそうです。そして「キャラクター」も重要です。ここに関しては、度重なるインタビューやトライアル期間を設けることでチームにフィットするかどうかを見定めるそうです。また、まだまだ女性コーチ・スタッフが少ない現状があるため、積極的にコーチングを学びたいという人の受け入れも快く行っており、そういったオープンマインドのチーム文化もコーチ・スタッフ間でしっかりと共有されています。


ヘッドコーチは決してブレてはいけない

「ナショナルチームはヘッドコーチの方針が軸にあるもの。ヘッドコーチが目的・目標に対してブレてしまうとスタッフもブレてしまう」と、浅見さんは話します。ヘッドコーチは常に自身の方針・考えを、周囲のスタッフや選手に共有することが求められます。また、スタッフそれぞれが最大限のパフォーマンスを発揮することができ、悪いストレスを溜めないよう、常にコミュニケーションを図ることを怠りません。上下関係はあるものの、何でも話すことができる関係性を構築できるよう工夫しているとのことでした。


関係作りに終わりなし

文化を共有し、意見が衝突した時も議論を避けずにコミュニケーションを重ねることで良いチームの雰囲気が創られます。結果的に、それが選手にも心地よい環境となりパフォーマンスの向上に繋がるのだそうです。一見、当たり前のことのようですがそれぞれの仕事が増え、多忙になってくるとどうしても「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)」が疎かになりがちです。また、情報は取りこぼしなく、正しい連絡経路で良いスピードとタイミングで行うことも重要だと話してくださいました。


常に学ぶ

浅見さんがこれらのマネジメントスキルを得た過程には、多くの失敗があったと赤裸々に具体的な失敗談もお話しくださいました。また、浅見さんはこれまで多忙な中でも様々な研修会に参加され、常に学ぶ姿勢を忘れません。その研修会で出会った他競技のコーチたちから学ぶことは多く、積極的に他競技や男子競技の視察も行ったそうです。コーチはもちろんのこと、組織のスタッフ全員が常に学び続ける学習意欲こそが組織全体のパフォーマンス向上に繋がるのだと感じます。


まとめ

実際の失敗談も含めた浅見さんのお話は、対象コーチたちにとってとてもリアリティのあるものでした。トライアンドエラーを重ね、学び続ける姿勢を持っているからこそ得られた、浅見さんのマネジメントスキル。今回お話しいただいたマネジメントスキルのポイントはもちろんのこと、対象コーチたちには浅見さんのコーチとしての姿勢や志もぜひ取り入れて欲しいと思います。


研修を終えて対象コーチの感想

◯スタッフがやるべきことを明確に分かっているからこそ、チームが上手くいくのだとまさに自身の経験と重なり、共感した。責任と覚悟を持って、これから選手やスタッフに結果を出させてあげられる存在になっていきたい。


◯新しいチームで活動し始めたばかりで、スタッフ間のコミュニケーションやマネジメントに悩んでいた。役割を明確にし、議論を重ねてグラデーションを意識するというところお話は、今一番自分の中で

引っかかっていた部分がスッキリした。


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