• shinkawa8

令和3年度海外研修代替イベント①「諸外国の事例から女性コーチのキャリア形成を考える」〜アイルランド編〜を開催しました

日本体育大学はスポーツ庁の委託を受けて、ナショナルチームクラスで活躍を目指す女性コーチを対象に、

ハイパフォーマンス領域で強みとなるコーチングスキルの向上を目指して

「女性エリートコーチ育成プログラム」を提供しています。

ナショナルチームクラスのコーチは国際的な場で活躍することが求められるため、本プログラム受講者を

対象に、諸外国で女性コーチ普及活動の最前線で活躍する人物や女性エリートコーチのロールモデルとなる

人物に出会う機会をつくり、国際的なネットワークづくりと国際人としての意識を醸成することを目指して、海外研修が組み込まれています。

昨年度に引き続き、令和3年度もコロナウイルスの影響で海外渡航ができる見通しが立たないため、

オンラインによる座談会形式で代替イベントを実施しました。


■日時:2021年5月27日(木)

■全体日程を通してのテーマ:

各日程でさまざまなコーチにより紹介されるグローバルムーブメント・グローバルトレンドを通じて、



諸外国の事例から学ぶ女性コーチのキャリア形成について考えます。

■講師:

ヘイリー・ハリソン氏(アイルランド)

Sport Ireland Coaching、ICCE(国際コーチングエクセレンス評議会)マスタートレーナー


スー・ロナン氏(アイルランド)

テクニカルインストラクター / WF Expert FIFA, UEFAプロライセンスコーチ


■アスリートからコーチへのキャリアトランジション

ヘイリー氏は、コーチとして35年のキャリアを持つ女性です。現在はアイルランドで、コーチや

コーチングデベロッパー育成をメインとする傍ら、オリンピックなどの国際大会レベルの選手を対象に

陸上競技のコーチングもボランティアで行っています。これまで、60競技にわたり3000人もの

コーチデベロッパーを育成してきました。

陸上競技一家に育った彼女は、陸上競技はもちろんのことホッケーやネットボールの選手としても国際レベルで活躍するほどのアスリートでした。怪我のため24歳で現役を引退するのですが、彼女のコーチング人生は

現役中の16歳から始まっていました。メンターでもあるシニアコーチのもとでアシスタントコーチとして活動しながら、コーチングを勉強。シニアコーチは熱心にコーチングについて指導してくれたそうです。

その後、大学では体育教育の学位を取得しました。

一方、スー氏も25年のキャリアを持つサッカーの女性コーチです。彼女も、アイルランドを代表するサッカー選手でした。彼女が現役選手だった時代は、まだまだスポーツは未発達。しかし、現役引退の2年ほど前からアンダーエイジの育成が注目され始めたそうです。そこで現役中にコーチングの勉強も開始します。

あるとき、自身のメンターからU-16のコーチをやってみないかというオファーがあったことをきっかけに、

コーチ人生が始まります。


■女性としてコーチの世界へ踏み出す勇気

ヘイリー氏、スー氏、共に彼女たちがコーチとして活動し始めた時代は、スポーツ界は今よりさらに男性社会でした。「現在のような指導者ライセンス制度も整っておらず、内向的な性格なうえに、学び始めたばかりの自分自身のコーチングに自信もなかった。それで男性社会の中でやっていくことに全く自信はなかった。」と、スー氏は振り返ります。しかし、コーチの機会を与えてくれたメンターを信じ、「自分にはできる」と

自身を鼓舞し、コーチの世界へ飛び込みます。チャンスを与えてくれたメンターは、一度も彼女を批判する

ことなく、いつもサポートしてくれたそうです。「だからこそ、様々な困難も乗り越えられてきた。

あの時チャンスを掴んでよかった。」とスー氏は言います。

ヘイリー氏も16歳という若さでコーチ職に就きましたが、彼女のコーチでもありメンターでもある人物が熱心にコーチングのいろはを教授し、常にサポートしてくれたからこそキャリアを歩み始めることができたと

話します。


■仕事と家庭の両立

ヘイリー氏はボランティアでコーチング業を長年行ってきました。また、母親でもあるため仕事と育児に

加えて、ボランティアでのコーチングをするということに葛藤があったそうです。

幸い、夫も陸上競技の同じチームのコーチであったため、フィールドに子供を連れて行き、

夫婦で育児とコーチングを行っていたそうです。「うちの子供はフィールドで育ったようなものよ」と

彼女は笑います。母親としてどうなのか?という声あり苦しい思いもしましたが、

「自分にとってはこれがベストなのだ」と信じてやってきたと言います。

また、アスリートを助けたいという強い気持ちに加えて、スポーツへの熱い情熱と天職だと感じるコーチ業に使命感を覚えたからこそ、ボランティアという待遇でも自身をモチベートしながら長年やってこれたのでは

ないかと振り返ります。



〜研修を終えて〜

ヘイリー氏、スー氏共にコーチとしてのキャリアを歩むチャンスを与えてくれた、メンターの存在は

とても興味深いですね。そして、女性がコーチとしてキャリアを歩んでいくためにはコーチ自身が知識や

スキルを学ぶだけでなく、こういった人物の存在が必要不可欠だと痛感します。

また、スー氏は最後に、「自分を信じて、妥協せず学び続けること。そして信頼できる人の言葉に耳を傾けることがキャリアを形成していく中で重要」と教えてくれました。


女性エリートコーチ育成プログラムには、現役アスリートとして活動しながらコーチングを学ぶ受講者や、

家庭とコーチング業の両立に悩む受講生がいます。ヘイリー氏とスー氏のお話は、そんな彼女たちを

励まし背中を押してくれたに違いありません。


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