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【Coach's Report:冨部柚三子(セーリング)】コーチングメンターとのメンタリングの様子をお届けします!

本プログラムでは、各対象コーチにコーチングメンターキャリアメンターが配置されています。

コーチングメンターは、対象コーチのOJTに関する相談やコーチングスキルに関する助言・アドバイスをし、OJTが円滑に進むように支援します。また、より効果的なメンタリング実施のために、コーチングメンターが実際の指導現場を訪問・観察し、その場でプロフェッショナル・ディスカッション等を行うといったサポートも行います。

一方キャリアメンターは、対象コーチがエリートコーチへとキャリアを歩むにあたり障壁となる課題(例えば、結婚や出産・育児、介護等のライフイベントとの両立等)を整理し、解決策を共に模索・準備しながらエリートコーチとしてのキャリア形成ができるよう支援しています。


今回は、冨部柚三子さんがコーチングメンターと実際に行っているメンタリングの様子をレポートしてくれました!



私のコーチングメンター

 私のコーチングメンターは、日本ラグビーフットボール協会女子15人制日本代表チームディレクターの浅見敬子さんです。浅見さんは同種目の日本代表経験があり、引退後に女子日本代表のアシスタントコーチに就任されました。その後、オリンピックで採用となった7人制女子日本代表のヘッドコーチを経て、現在の立場にてご活躍されています。このようなご経歴を持っているにも関わらず、とても気さくで、話をよく聞いてくださり、ご自身の経験を包み隠すことなくお話しして下さいます。


メンタリングを通して目指す目標

 私が抱える現場での多くの悩みは人間関係にあります。エリートコーチとして活躍していくためには対選手との関係はもちろん、競技団体組織との関わりも避けられません。私は現役選手であり、まだ立場をはっきりとコーチに位置付けることができないため、組織の判断や意思決定のプロセスに関わることができません。

しかし浅見さんのご経験を伺うことで、組織としての視点を養うことができ、ビジョンの達成に向けて、組織とどのように関わることが望ましいのか学ばせていただいています。また、メンタリング開始以降、15人制女子日本代表の合宿見学もさせていただき、そこで行われているコーチングの手法についても学ぶことができています。特にチームスポーツは全体の調和が必要とされ、選手・スタッフがどのようにコミュニケーションを取っているのかを観察し、メンタリングにてディスカッションしています。



実際のメンタリングの様子

 今回は、長野県の菅平にて行われていたラグビー15人制女子日本代表合宿を私が訪問し、合宿の様子を観察しながらメンタリングをしていただきました。昨年度から、メンタリングを通じて浅見さんの経験談から得た学びを、自身のOJT現場に状況を置き換えて考え、行動してきました。今回は実際に訪問し、現場を観察させていただくことで、より深い学びとなりました。更に、合宿に参加するスタッフや選手の方とディスカッションをする機会を設けることができ、自身のOJTとして得るものが数多くありました。



 私がこの現場観察で目的としていたことは二つあります。一つ目はスタッフ間で、ビジョンや大切にしている価値がどのように共有されているのかを観察することでした。まず印象に残ったのはヘッドコーチが「ここにいるスタッフは全員仕事をしなければならない」と言っていたことでした。まさしくその通りで、その場にいるスタッフの皆さんはスケジュールを共有して常に次に起こることを予測し、立ち止まることなく動いていました。また、他の合宿スタッフの方にもお話を伺ったところ、合宿以外の場でもミーティングが行われ、互いの意識や知識を共有されていることが分かりました。

 二つ目の目的は、選手のチームビルディングについて学ぶことです。私は個人競技を専門としていますが、セーリングは競技の特性上、強くなるためには相手がいなければトレーニングが成り立ちません。ライバルとなる選手同士で「互いが強くなる」という意識をどのように醸成していくのか、チーム競技から学び、練習環境を共有する個人競技の場でも活用できたら、と考えたためです。見学をして伺えたことは、選手同士が競技の技術的な話からお互いに考えていることまで、よく会話しているということでした。ラグビーはピッチの上では自分たちで考え、判断していかなければならない競技。日頃から、お互いの考えを共有することで、チームとして力を発揮できるよう、このような場があることが、個人競技の自分にとっては驚きでした。

 今回は人とのコミュニケーションについての学びが多くありました。相手を理解するまでのコミュニケーションには根気が必要で、時間に終われる指導現場では時に煩わしいと思われがちです。しかし互いの意思疎通が十分でない中で計画を進めていくと、例え同じ目標を掲げていても、ある時ぶつかってしまいます。浅見さんへ、人材の採用にあたってどのような点を大切にしているかを伺ったところ、「相手をリスペクトする姿勢があるかということ」と伺いました。そのような姿勢を持ったスタッフの皆さんが関わっているからこそ、スタッフ同士・選手同士・スタッフと選手間の意思疎通のための時間が大切にされているのだと実感しました。








メンタリングを通じて起きた自身の変化 

 競技団体組織内の意思決定のプロセスや、立場の違いによって意識に差があることに気づいたことで、自分はいつ、誰に、どのように言動を起こすと協力を得られやすくなるのか、考えることができるようになってきました。大きなビジョンを成し遂げるため、他者の協力を得ていくには意志疎通にしっかりと時間をかけ、互いの意見を尊重しあえる関係性を作っていくことが重要と考えます。今回のメンタリングやOJTで学んだことをこれからトレーニングしていきたいと思います。



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