インタビュアー:小林 可奈子

Q. 競技の魅力を教えてください


白い目標球【ジャックボール】に、どれだけ自分のボールを近づけることができるのか。 シンプルだからこそ、相手の一手の先の先まで読み、自分の一手を探す。ボールを投げる、蹴る、補助具を用いて転がす(障害によって手法は様々)のスキルはもちろん、その心理戦はまるで将棋や囲碁のよう。障がい者スポーツという枠を越え、誰でもチャレンジできるボッチャは、最後の最後まで勝敗の分からないところも面白いです。団体戦では、仲間とのコミュニケーション能力が白い球【ジャックボール】に近づく鍵となります。




Q. 競技に出会ったきっかけは?


大学卒業後、理学療法士として小児施設で働いていた頃、ボッチャ日本選手権大会のフィジオサポートに参加し、この競技を知りました。リハビリで関わっている子供たちが、「学校」でも「家庭」でもない、もう一つの「社会」でコミュニケーションを持ち、スポーツの楽しさに気づいてくれたら、そう思ってボッチャの楽しさを伝えているうちに、その競技としての面白さに引き込まれ、競技のサポート活動を始めました。2012年ロンドンパラリンピックの後、2013年頃から本格的にトレーナーとして活動を始めました。




Q. コーチを目指すきっかけや、そのプロセスについて


これまではトレーナーとしての役割を果たすため、コーチの役割(競技指導)はなるべく行わないよう関わってきたのですが、ボッチャという競技特性上、限られたスタッフの中で、選手たちの日常生活の介助、コーチ、トレーナー、競技アシスタントを兼務できることが重要なポイントとなってきています。そこで自分自身がコーチとしての指導スキルを向上させ、Wスキルを身に着けることで、チームに大きく貢献できると考えています。また女性選手のケアも十分とは言えない現状で、身体面のサポートと並行し、技術面などのパフォーマンス向上も急務とされています。




Q. 影響を受けたコーチ/人物はいますか?


2013年に初めて日本代表チームに関わらせていただくことになった時、とても素敵な女性。 ヘッドコーチに出会いました。豪快に「自己投資も必要よ」と、ルイヴィトンの大きなスーツケースを持って遠征に向かう姿とコテコテの広島弁は、表向きには「強さ」を感じましたが、その背景にある、彼女の内から出る優しさ、そして選手、家族、スタッフ、ヘルパーさんへの思いやりの気持ちは、周りの人を惹きつけるものがあり、彼女の人との接し方や、リーダーシップの取り方に、私は今も強く影響を受けています。




Q. コーチングをするうえで、大切にしていることは何ですか?


理学療法士になるための病院実習の時、当時の私は何事も自分でどうにかしようと誰にも相談せず、必死に日々過ごしていました。その時、実習先の先生に、「自分に足りないことは表に出して、周りの人に助けてもらったらいい」と教えていただきました。それから私の座右の銘は【あほになれ】。 コーチの出来ないこと、分からないこと、知りたいことは、隠さずスタッフや選手に伝え、許し合える関係作りをする。そのことが、選手たちの「失敗を恐れずチャレンジできる」環境づくりに繋がり、皆で共に学び成長することが出来ると考えています。





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PROFILE INTERVIEW

プロフィールインタビュー

株式会社スポーツセンシング

一般社団法人 日本ボッチャ協会

前野 香苗
KANAE MAENO

専門競技:ボッチャ

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Interview's Comment

インタビュアー:小林 可奈子

柔らかな物腰と、優しい笑顔。ゆったりした時間の流れが彼女の最大の魅力に思えます。

答える前に猶予を与えてくださるその時間(優しさ)の中に、観察力と洞察力を持ち、ご自身の次の優しさの一手を考えていらっしゃる。常に周りに気を配りながら、人を支える、ということを実践する彼女の魅力に惹かれながら、きっと誰もが、【ボッチャ】という競技への世界に引き込まれていくのではないだろうかと思います。

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