
新たな目標を見つけ、二刀流で学びに挑戦した2年間
競技歴は代表クラス、コーチ歴はゼロの自分
競技生活を引退し、コーチのキャリアを歩み始めたものの、選手としての経験は豊富で実体験は伝え・教えることができるけれど、コーチングに関して学んだことがなかったので不安な気持ちがありました。そんな時に耳にしたこのプログラムの存在は、自分にとって絶好のチャンスだと思いました。
「相手の考えを引き出すコーチングがしたい」という気持ちはありましたが、自身にそんなコーチングを行うための引き出しがなく、相手の本当の気持ちをなかなか引き出せないでいました。選手としてのキャリアがあるため、自身の言い方次第で、学生の選手には全て正解になってしまいかねません。「藤岡さんが言うなら」と選手が言うことを防がなければいけないというコーチングにおける課題がありました。
コーチ仲間が教えてくれた、自分の“コーチング姿”。背中を押してくれた、メンターの存在。
コーチは選手と違って、「自分の癖を知る」という機会が激減することを、現場に立つことで身に染みて感じていました。プログラムに出ると、周りの人が客観的に自分を見て意見やアドバイスを言ってくれることがとても新鮮でした。例えば、研修会のマイクロコーチングはとても勉強になりました。コーチ仲間から多くの選択肢を教えてもらったと思います。
また、普段のコーチングを自身で撮影し、後日スタッフの方々やコーチの方々とディスカッションをすることもとても新鮮でした。普段、意識してやってはいるけれど、思い描いていた理想と実際のコーチングの姿は全然違うのだということがその時分かりました。選手の時は、映像と自身が思い描くプレーのギャップは少なかったのに...驚きでした。例えば、自分では選手に対して良い質問できているな!と思っていたものの、結局最後は答えを与えてしまっていることに気付かされたのです。
何より、現役復帰のきっかけとなったのがメンターの存在です。現役復帰とコーチの両立は無理だと思い込んでいた自分に、「やってみればいいじゃない」と言うメンターの方の言葉がスッと入ってきました。
現役復帰後、所属チームには若い選手が多く新しいチームであったため、自分を知ってもらうために、質問の質に意識をして、相手が何を思っているのかを引き出せるようにセッションでの学びを実践しました。選手仲間からは、選手としてコートに立っているのにコーチっぽいねと言われることも多く、自身でもコーチ目線で練習をしているような感覚があります。
思いやりと人間力を育むことができるコーチに
引退後はコーチの道に進みたいと思っています。選手の人間力を高められるコーチングを目指していたので、当初は育成世代のコーチに就くことを思い描いていましたが、現役復帰をしてみてハイパフォーマンスレベルでも“人間力”が問われる練習が行われていることを体験しました。トップレベルでも自分が思い描く“思いやり”を育むコーチングができるのだと分かったので、挑戦してみたいと思っています。また、選手に考えさせることができ、主体的に動いてもらえる環境づくりができるコーチになりたいです。そのためには、メンタリングは重要だと思います。自身が“メンター”になれるように、引き続き学んでいきたいと思います。

修了生の旅路

エリートコーチを目指す本プログラム2年間の旅路を
修了生のみなさんに振り返っていただくと共に
これからの「未来」について思いを綴っていただきました
